『結婚式は人生を変える力があります』

プランナーは新婦様にそう強く伝えたそうだ。

 

結婚が決まり両家に報告することで親は手放しで喜んでくれる…。

そんな方程式は実は少ないのかもしれない。

 

多かれ少なかれ親は自立し新しい生活を始める子どものことは心配で、

そこ子どもの『結婚』という決断に、親自身も同様するのかもしれない。

 

子どもにとって、『自分の好きな人、自分が選んだ人』は

親にもすきになってほしいし、仲良くなってほしい。

 

でもそれがうまく伝わらないとき、やっぱり親も子も悩み苦しむ…。

 

きっとそんな話は他人のプランナーにはしないだろう。

考えてみれば内輪の話だし、言ってもどう解決もできないと思うから…。

 

でも、お二人は打ち明けてくれた。

勇気をもって、プランナーを信じて…。

 

『結婚式は人生を変える力があります』

お二人の担当プランナーはそう力強く答えたそうだ。

 

そう。結婚式だから伝えられること。

 

結婚式だから感じることのできる素直な気持ち。

 

私たちは時にはこうして、親御さまと新郎新婦さまの間にたち、

 

素直な気持ちを、伝えられない思いを少しだけ整理し伝える…。

そんな役割も担っている。

結婚式当日。

『出席しないかも？』そう思われていたお母様は、

もちろんチャペルの最前列で二人を温かい眼差しで見守っていた。

『幸せになってほしい』

『おめでとう』

心からその言葉を伝えた時。

新婦様からとめどない涙が溢れた。

プランナーも一緒に泣いた。

その後、新婦様からプランナーあてに届いたお手紙。

『あのまま結婚式をキャンセルしていたら、一生反対を押し切って結婚したという罪悪感と、大好きな両親を裏切ってしまったという後悔を背負っていたままでした。

思い悩み結婚式をキャンセルしようと相談したときに、夜遅い時間いも関わらず、電話越しで真剣に話を聞いてくれました。あの時の私の背中を押してくれたから…。

今の二人があります。

本当に感謝しています。』

 

私たちは実際には何もしてないし、何も出来ていない。

 

でも少しもつれただけの思いを、『言葉という力』で戻すことはできる。

普段は近すぎて言えない『その言葉』を、私たちは探し出し伝える…。

 

相手を思いやる思いが誰にでもあるから…。

 

 

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

でも私たちはこんな心の通った結婚式をこれからも作り続けたい。

そう思っています。

 

感謝。